実際のレッスン

レッスンの前に

レッスンの時に、教師はまず生徒がその日に何をしたいかを聞きます。生徒は自身の問題や
現在困っていることを教師に伝え、自らの意思においてレッスン内容を決めていきます。

実際のレッスンの様子

1.音楽

1-1ヴァイオリンのレッスン

小さなクッションを肩とあごで挟んでもらい、ヴァイオリンを持つ状態に近づけてレッスン。

ヴァイオリン実習

生徒の、「ヴァイオリンを弾く時に姿勢をよくしよう」とする思いが、胸を張る癖を生み、結果、背中が反り、腰に負担をかけ、日常生活でも痛みが伴うようになってしまいました。
胸を張らなくても、姿勢よく立てることを、教師の補助で経験しています。
教師:「ほら、こうすると腰、痛くないでしょ?」
生徒:「ほんとだ、楽に立てる。」

ヴァイオリン実習

ヴァイオリンの弓を持つ右肘が上がる時に、動かしにくいと感じている生徒。
腕と肩がどのように動くのか、骨と筋肉がどうなっているか説明した後、楽に動かせることを実際に練習。
教師:「肘を上げる時に使う筋肉は、腰からも伸びてるんだよ。ほら、今伸びてきたのわかる?」
生徒:「はい。腕も動かしやすいです。」

1-2 ギターのレッスン

ギター実習

姿勢よく座りたいと思っても、弾くために腕を前に出した時に、小さく屈みこんでしまう生徒。
腕がどこから動くことができるか説明。

教師:「ほらね、腕動かすと、鎖骨のここ、動いてるでしょ?」
生徒:「あ、ほんとだ…。」

ギター実習

ギターの上に被さるように丸まっていたのに、きれいな姿勢で、弦にも楽に手が届きます。

教師:「ほら、これで美人ギター弾き。ファンが増えるね。」
生徒:(にっこり)

1-3 歌のレッスン

歌のレッスン

自分のからだの内側にも同じ骨格の構造があることを、ガイコツの模型を実際に「みる」ことによって、それまでの思い違いがないかどうか、気づいていきましょう。
生徒:「声を出すことは、からだ全体ですることなんですね。」
教師:「そうですね。大げさじゃなくて、つま先から頭まで全部ですよ。」

歌のレッスン

空気の流れにのって、からだの外へ外へと声が運ばれていきます。のどから声を出すということでなく、からだ全体が声を奏でる「楽器」です。
生徒:「いつもより首の前の部分がラクです。」
教師:「重力に逆らわず下あごが落ちていくと、口があいていきますよ。だから一生懸命に口を開けよう開けようとしなくてもいいんです。」

2.パフォーマー

2-1 フラメンコ

フラメンコ

「腕を楽にのびやかに上げたい。」ダンサーならみんな思うことですね。
教師:「腕を上げるとき、肋骨や股関節は一緒に上に行かなくていいよ。」
生徒:「ほんとだ、楽に腕があがる。」

フラメンコ

生徒:「踊りの中で、脚をもっと自由に楽に動かしたい。」
教師:「股関節は、ここの奥でも動いてるよ。」
生徒は股関節を的確にとらえると、膝、足首の動きがさらに自由になり、楽に脚が使えることを体験しています。

3.日常生活

3-1 介護

介護

椅子から立ち上がるとき、介護する人も介護される人も一緒にラクに動くレッスンです。介護する人が効率よく動くと、不思議と介護される人も余計な力みがなくなります。
生徒:「立ち上がるときに大切なことは?」
教師:「立ち上がる動きの方向性を思いながら動きましょう。お互いに触れ合っている部分だけではなく、からだ全体が動きますからね。」

介護

立ち上がるとき、どのようにしたら、二人ともが気持ちよく「一緒に動くこと」ができるでしょうか?椅子から立ち上がるときに、どんな力が働いているでしょうか?
生徒:「いつもは、相手が立ち上がる前に、すでに力んでいました。」
教師:「今は、からだの前の部分だけでなく、背中全体にも上手に注意を向けているのがわかりますね。」

介護

介護する人の動きは、介護される人に影響します。一方通行でなく、相互関係が生まれることによって「椅子から立ち上がる」共同作業に幸せが感じられます。
生徒:「私が無理に引っ張り上げなくても、二人が一緒に動くことができるとラクですね。」
教師:「介護する人がラクだと、介護される人にも自然とラクさ加減が伝わりますね。」

3-2 パソコン

パソコン

キーボードに向かうとき、仕事の能率を上げようとすると、肘と肩甲骨を固めて上腕の前側を過剰に使ってしまいます。それは、肩や背中の痛みにもつながります。
教師:「肘を固めるのをやめると肩甲骨が自由に動くし、呼吸も楽だよ。」
生徒:「あー、肘で固めてたんですね。」

パソコン

教師:「目から入った情報は、脳で処理されるんですよ。ちょうどそこはトップジョイントの辺りですね。」
生徒:「見ようと思って、顔を突き出して目で頑張らなくてもいいんだ…。」
教師:「そうね、これだと、オフィスで余裕のあるできる女だね。」

3-3 日常の動作で

寝る
寝る

腕を動かすと、足腰に微妙な力が入ってしまう生徒。

教師:「腕を動かす時でも、足はゆったり伸びてていいんだよ。膝はあっちね。」

立つ

人にはただ立っているだけでも、自分を支えようとする独自のパターン(癖)があります。

立つ

教師:「肘の小指側は、肩甲骨と自由に連携していて、背中側の筋肉からつながっているから、肘で自分を支えようとしなくてもいいんだよ。」
生徒:「・・・あー、今、左の肘、自分を支えようとしてがんばっていますね。」
その後レッスンで、肘で頑張るのをやめたら、より楽で自由なまとまった感じで、立っていられることを学習。

座る

「椅子に座る」という、とてもシンプルなレッスンをしています。“シンプル”ということは、“余計なことをしていない”ということです。教師の手や言葉がけを通じて、“余計なこと”に気づくことができます。

座る

生徒:「からだの上のほうでそんなにがんばらなくても、椅子に座ることができるんだなぁって・・・不思議な感じです。」
教師:「自分自身の奥行きがわかると、安心して座れますね。思ったよりも少ないエネルギーで座れるんですね。」